なぜ「安全なパスワード」が必要なのか?
パスワードはインターネット生活の中で最も大事な「カギ」です。銀行口座やSNS、メールなど、私たちが日々使っているサービスはすべてパスワードで守られています。弱いパスワードを設定すると、泥棒にカギを渡しているのと同じ。たった一度でも突破されれば、個人情報の流出や金銭被害に直結します。
ハッカーはどうやってパスワードを破るのか?
「そんなに大げさな…」と思うかもしれませんが、ハッカーは意外と単純な方法でパスワードを破ります。
- ブルートフォース攻撃: 全パターンを機械的に試す方法。短いパスワードほどすぐ破られます。
- 辞書攻撃: よく使われる単語や名前のリストを使って突破を狙う手口。
- リスト型攻撃: 他サービスから流出したIDとパスワードを使い回す方法。
安全なパスワードの作り方
① 長さは最低12文字以上にする
文字数が多いほど、攻撃にかかる時間は指数的に増えます。8文字だと数時間で解読可能でも、12文字以上なら数十年〜数百年かかることも。
② 英数字+記号を混ぜる
「abc123」や「password!」は一瞬で突破されます。必ず大文字・小文字・数字・記号を組み合わせましょう。
③ 推測されやすい単語は避ける
自分や家族の誕生日、電話番号、ペットの名前などはSNSから調べられてしまいます。
④ フレーズ化する
文章をベースにすると、強力かつ覚えやすいパスワードが作れます。
例:「今日はカレーを3杯食べた!」 →
KyouhaCurrywo3HaiTabeta!
⑤ サービスごとに変化をつける
同じパスワードを全サービスで使うのは絶対NG。共通のベースにサービス名の一部を加えるだけでも安全性は大幅にアップします。
ベース:
Tabeta!2024
Google用 →Tabeta!2024Go
Amazon用 →Tabeta!2024Am
パスワードを覚えるコツ
① 頭文字法
「猿も木から落ちる」→
SmKaraOchiru!
② ストーリー法
「猫がピアノで踊る2025」→
NekoPianoDance2025!
③ 場所法(記憶術)
家の中を思い浮かべ、場所ごとに単語を割り当てて組み合わせる方法です。
④ 忘れる前提で考える
全部を覚えるのは無理なので、マスターパスワード+管理アプリを使うのが現実的です。
パスワード管理アプリの活用
複雑なパスワードを覚えるのは不可能に近いです。そこで便利なのがパスワード管理アプリ。
・1Password(有料だが初心者向け)
・Bitwarden(無料プラン充実)
・KeePass(完全無料・オフライン管理型)
パスワード以外の強化策:多要素認証
最近は「パスワード+もう1つの要素」で守る多要素認証(2FA/MFA)が主流になっています。
- スマホに送られる6桁のコードを入力する
- 専用アプリ(Google Authenticatorなど)のワンタイムパスコード
- 指紋や顔認証との組み合わせ
これを有効化するだけでセキュリティは数十倍強化されます。面倒でも必ず設定しましょう。
「パスワードは定期的に変えるべき?」
昔は「3か月ごとに変更しましょう」と言われていましたが、現在は必ずしも推奨されていません。理由は、頻繁に変えると結局「簡単で覚えやすい弱いパスワード」を選びがちだからです。
本当に必要なのは「漏れた時にすぐ変える」こと。サービスから「不正アクセスがありました」と通知が来たら、その瞬間に変更しましょう。
未来のパスワード:パスキーや生体認証
AppleやGoogleが推進している「パスキー」は、パスワードを入力せずに端末の認証情報(指紋・顔認証など)でログインできる仕組みです。将来的には「パスワードを覚える」という発想自体がなくなる可能性もあります。
やってはいけないNG行動
- すべてのサービスで同じパスワードを使う
- 「123456」「qwerty」「password」など有名な並びを使う
- ブラウザに全部保存して安心してしまう
- 友達や家族とパスワードを共有する
今日からできる3ステップ
- よく使うサービスのパスワードを12文字以上に変更する
- 使い回しているものを一つずつ分ける
- 多要素認証を有効化して、管理アプリを導入する