ドコモ・au・ソフトバンクからeSIMに移行して後悔しないための注意点(体験談)
この記事は大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)からeSIMに移行しようか迷っているシニア世代に向けています。
筆者は30代で、実際に70代の知人AさんがeSIMに移行する様子をサポートしました。
本記事では、その体験を第三者視点でまとめ、「やってみて初めて気づく困りごと」や「若い世代には分かりにくい不安」を詳しく紹介します。
この記事でわかること
- シニアが大手キャリアからeSIMに移行する際に直面するリアルな困難
- 若い世代では気づきにくい、シニア特有のハードル
- 後悔しないための準備・注意点・サポート方法
体験談の概要
Aさん(70代男性)はドコモを20年以上利用。月額1万円前後の料金に負担を感じていました。
テレビや家族から「eSIMなら安くなる」と聞き、挑戦を決意。しかし「スマホを壊すのではないか」という強い不安がありました。
私は第三者としてそばで見守り、必要に応じて操作をサポートしました。
実際に困ったこと:体験者ならではのリアル
1. QRコードの扱いが難しい
Aさんは「QRコードを表示する」と「読み取る」が同じスマホではできないことに混乱しました。
若い人なら「別の端末で表示すればいい」とすぐに理解できますが、Aさんは「じゃあ、このスマホでどうするの?」と戸惑い。
最終的には印刷して対応しましたが、「物理的に紙がある方が安心」というのはシニアならではの感覚です。
2. 表示されるメニューの言葉が理解できない
案内には「モバイル通信プランを追加」と書いてありましたが、Aさんには「プランを追加=新しい契約が重複する」と誤解されました。
「今の契約が消えるのでは?」「二重にお金を払うのでは?」と強い不安を口にしました。
若い世代にとっては当たり前の「設定項目の名称」も、高齢者にとっては紛らわしく、精神的ハードルになります。
3. 認証SMSの受信先が変わることに大混乱
銀行や年金関連サービスの認証コードが旧回線に届く設計のままで、ログインできなくなりました。
「お金に関わる大事な通知が届かなくなるかも」という不安は、特に高齢者にとって深刻です。
若い世代なら「SMSの受信先を切り替えればいい」とわかりますが、Aさんにとっては「大切な窓口を失ったような感覚」でした。
4. Wi-Fiが途中で切れて設定失敗
設定作業の最中にWi-Fiが一瞬切断。
画面には「エラー」と表示され、Aさんは「もうスマホが壊れた」と青ざめました。
若い世代なら「再起動すれば大丈夫」と思えますが、高齢者にとって「エラー=故障」のイメージが強いのです。
5. 新旧回線の切り替えが直感的に分からない
eSIMと物理SIMを両方入れた状態では「デフォルト回線」と「データ通信専用」を切り替えられます。
しかしAさんには「電話はどっち?ネットはどっち?」が直感的に理解できず、混乱しました。
「自分が今どの回線を使っているのか」が見えにくいことは、シニアにとって大きなストレスです。
移行してよかったこと
- 料金が半額以下になった:毎月1万円→約4,000円に。年間で7万円以上の節約に。
- SIMカードを扱わなくて済む:小さなカードを差し替える作業から解放されました。
- 「できた!」という自信:家族と一緒に設定できたことで達成感があり、スマホへの苦手意識が和らぎました。
後悔しないための注意点
筆者が第三者視点で感じた「事前に知っておけば後悔しないポイント」
- QRコードは紙に印刷して準備:スマホ1台しかない場合の安心策
- 認証SMSの受信先を整理:銀行・年金・行政サービスは事前にリスト化
- 設定は必ず自宅の安定Wi-Fiで:途中で途切れると不安が増大
- 用語の意味を簡単に説明してあげる:「プラン追加=新契約」ではなく「回線登録」だと説明
- 必ず動作確認を一緒に:通話・SMS・ネットを実際に使って安心させる
若い世代には分かりにくい「高齢者の難しさ」
30代の私から見て、「そんなに難しくないのに…」と思うこともありました。
しかし実際に隣で見ていると、シニアにはシニア特有の「わかりにくさ」があるのです。
- 専門用語が生活実感に結びつかない:「モバイル通信」「APN」などは意味がイメージできない
- トラブル=故障という思い込み:エラー表示を見ると「壊れた」と強く不安になる
- 紙の安心感:デジタルの情報より、印刷した手順書やQRコードの方が安心感がある
- 「自分には無理だ」と思い込みやすい:途中で諦めてしまう心理が強い
30代筆者からのまとめ
今回の体験を通じて、私は「eSIMそのものは安全で便利。問題は“理解のギャップ”」だと感じました。
若い世代には当たり前でも、高齢者にとっては「不安の種」になるポイントが多くあります。
- 料金は大幅に節約できる
- カード交換がないため物理的リスクは減る
- 一方で「言葉」「表示」「認証方法」に不安が集中する
- 家族や信頼できる人が伴走するだけで成功率は大幅に上がる
ドコモ・au・ソフトバンクからeSIMに移行を検討している高齢者の方は、「準備」と「支援」を意識すれば後悔は防げます。
そして一度乗り越えれば、「自分でもできた!」という自信が大きな力になります。

